九州大学で美学美術史や博物館学を学ぶ学生たちで構成されるAQAプロジェクト。
本年度は、九州大学の所蔵する美術作品などの文化財の中から、
出品作を選んで展覧会を構成します。九州大学総合研究博物館の常設展示室の一角で、
3期に分けて展示します。
展覧会名は「そして はこぶねは ゆく」としました。
「はこぶね」は聖書の「ノアの方舟」であり、「箱崎という船」でもあります。
未来へ向けて、学生たちはなにを「はこぶね」に乗せるのでしょうか。

展覧会情報

2017.12.15[金]―2018.2.14[水]
九州大学箱崎キャンパス・総合研究博物館[3階展示室]
入場無料
開館時間 || 10:00-17:00
休館日 || 日曜日、休日、12月28日から翌年1月4日まで
1月11日と25日は展示替えのため閉室(博物館常設展示は見られます)
主催 || AQAプロジェクト2017
共催 || 九州大学総合研究博物館、九州大学大学文書館
協力 || 農学研究院

関連事業

青山熊治『九州大学工学部壁画』公開
日時 || 2018.1.27[土]、2.3[土] 10:00-16:30
会場 || 九州大学箱崎キャンパス旧工学部本館[4階会議室]

※終了しました

一見対立しているように見える円と線、その境目は明確ではない。円は線であり、線は円ともなり得る。二つの図形の差異は人間の認識によるものだろう。仙厓の《円相図(複製)》と内田恵太郎による科学描画が私たちに問いかける。円と見るか、線と見るか。

※終了しました

科学描画は、対象を正確に記録するという目的を持ち、緻密な描写を特徴とする。しなやかに伸びる枝のようすや細かい葉脈からあふれ出す生命力には、単なる記録を超えて私たちをひきつける魅力がある。本章では、先達の研究成果として箱崎に遺された科学描画に加えて、伊都で花開く「美術」としての工学部壁画、マイケル・リンの《グリーン・ハウス》を隔てるものは一体何か。「科学」「美術」に分類される二種類の絵画に、美術作品に対するまなざしを向けることで「美術」とは何かを考える。

※終了しました

箱崎キャンパスの風景を描いた吉川幸作の墨彩画は、キャンパスの過去の記憶をよみがえらせる。失われつつあるキャンパスの現状を映した桂木勝彦の写真とあわせて展示する。変化し消えゆく景色は絵や写真の中に形を残し続けるが、私たちの記憶の中でも色褪せずにいられるだろうか。また長きにわたりこの地とともに在った、旧工学部本館会議室の青山熊治壁画を映像で紹介、期間限定で実物を公開する。この大作は、どのように残されていくのだろうか。これらの作品を通し、残される記憶、失われる物語を今一度たどる。方舟は沈みゆく地に何を残し、未来という海原に何を運んでゆくのか。